透析やめたい・怖い方へ|CKM(第3の選択肢)を臨床工学技士が解説

高齢患者の透析シャントの手を握る娘の手元。背景に透析器と「CKM第3の選択肢」テキスト。臨床工学技士の白衣シルエット 透析
透析の針が怖い…その前に知ってほしい「第3の選択肢」 臨床工学技士が2025年公式ガイダンスをもとに解説

「透析の針が痛くて、もう死んでもいいからやめたい」——その言葉の前に知っておくべき第3の選択肢があります。2025年9月、3学会が公式認定した「CKM(保存的腎臓療法)」と「長期留置カテーテル」です。透析歴20年以上の臨床工学技士が、現場の実体験をもとに解説します。

📋 この記事でわかること

  • ✅ 2025年9月公表「腎不全緩和ケアガイダンス」の要点——CKM(保存的腎臓療法)とは何か
  • ✅ 「透析をやめたい」という言葉の背景にある本当の苦痛
  • ✅ 透析を中止した後に何が起きるか(CE実体験)
  • ✅ 穿刺の痛みを解決できる「長期留置カテーテル」という第3の道
  • ✅ 透析見合わせを考える前に確認すべき5つのチェックリスト

👨‍⚕️ この記事の執筆者:透析パパ(臨床工学技士)
北海道の急性期病院勤務。血液透析・集中治療領域に従事し透析歴20年以上透析治療に関わる現場経験をもとに執筆。北海道臨床工学技士会 会員。
本記事の医療情報は、2025年9月公表の3学会公式ガイダンスおよび日本透析医学会統計調査に基づいています。

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本記事は臨床工学技士としての経験に基づく情報提供であり、医学的な診断・治療の指示ではありません。実際の治療方針は必ず主治医とご相談ください。本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。商品購入時に運営者へ紹介料が入る場合があります。

① CKM(保存的腎臓療法)とは?2025年3学会公式ガイダンスを解説

2025年9月29日、日本腎臓学会・日本透析医学会・日本緩和医療学会の3学会連名により、『腎不全患者のための緩和ケアガイダンス』が公表されました(日本透析医学会 公式情報)。長年、現場でグレーゾーンとされてきた「透析しない選択」について初めて明確な方向性を示した画期的な指針です。

また、日本透析医学会の統計調査(2024年末)によると、日本の透析患者数は337,414人、新規導入患者の平均年齢は71.69歳に達しており(日本透析医学会 統計調査2024)、透析患者の高齢化はさらに進行しています。こうした背景が、CKMという選択肢を正面から議論する必要性を高めています。

CKMの正確な定義——「何もしない」は誤解

パパ、「透析しない」っていう新しい選択肢ができたって本当?

そうなんだよ。2025年9月に3つの学会が公式ガイダンスを出して、「無理に透析を始めずに、できる限り腎臓病の進行を遅らせながら、痛みも和らげて穏やかに過ごす」という方法(CKM)が正式に認められたんだ。

CKM(Conservative Kidney Management:保存的腎臓療法)とは、透析を行わずに、腎臓病の進行を可能な限り遅らせる積極的な治療と、症状緩和・QOL支援を組み合わせた包括的アプローチのことです。2025年公式ガイダンスでは次のように定義されています。

「計画的・全人的で、CKDステージG5の患者に対する、患者中心のケアであり、腎臓病の進行を遅らせたり合併症を最少化したりする介入治療を含むが、特に症状の軽減と、心理的・社会的・文化的・精神的支援を重視し、透析を含まないもの」
——日本透析医学会ほか『腎不全患者のための緩和ケアガイダンス』2025年9月

つまりCKMは、「何もしない」のではなく、薬・食事管理・症状緩和・精神的サポートをすべて積極的に行いながら、透析だけをしない包括的アプローチです。「緩和ケアに丸投げ」でも「諦め」でもありません。

CKMとKSC(腎臓支持療法)の違い

混同されやすい2つの用語を正確に押さえておきましょう。KSC(Kidney Supportive Care:腎臓支持療法)とは、透析を継続中の患者にも適用できる症状緩和・心理社会的支援のアプローチのことです。

用語正式名称対象透析との関係
CKMConservative Kidney Management(保存的腎臓療法)透析・腎移植を実施していない患者透析をしない前提のアプローチ
KSCKidney Supportive Care(腎臓支持療法)透析中の患者にも適用可能透析継続中でも受けられる症状緩和・支援

医療者に相談する際は、「CKMになるのか、それとも透析を継続しながらKSCの支援を受けられるのか」と具体的に確認してみましょう。

なぜ今CKMが注目されているのか

これまで「腎不全=透析が必須」という固定観念が根強く、透析を見合わせることは医療者にとっても家族にとっても大きな心理的ハードルがありました。しかし、透析患者の高齢化・認知機能低下・複数の重い合併症を抱える患者さんが増える中で、透析による延命が必ずしも「本人にとっての幸せな最期」に直結しないケースも報告されるようになっています。

現場の実感として、ここ数年で「透析をするかどうか、家族で相談してきてほしい」と主治医から伝えられた患者さんのご家族からの相談が、以前より明らかに増えています。このガイダンスの公表により、CKMが患者・家族・医療チームの間でオープンに議論できる選択肢として確立されました。また、2025年6月に閣議決定された骨太方針2025にも腎不全患者の緩和ケア推進が盛り込まれており、国の政策レベルでもこの方向性が支持されています。

✅ CKMのポイントまとめ

  • 透析をしないという選択肢のひとつ
  • 「何もしない」ではなく、薬・食事・症状管理を積極的に継続
  • 透析継続中の「緩和ケア(KSC)」とは異なる別の概念
  • 患者本人のQOL・価値観を最優先にした包括的アプローチ
  • 2025年9月、3学会の公式ガイダンスで初めて明確に位置づけられた

② 「透析をやめたい・怖い」と言う本当の理由

「透析をやめたい」という言葉は、わがままではありません。その言葉の裏には、「この痛みをどうにかしてほしい」「家族にこれ以上迷惑をかけたくない」という切実なSOSが隠れていることがほとんどです。20年以上この現場にいて、そのことを私は何度も実感してきました。

高齢の父が「毎回針を刺されるのが痛くて、もう死んでもいいからやめたい」と泣くんです。家族としてどうすればいいのかわからなくて……。

ご家族も本当につらいですよね。あの太い針の痛みは、健康な方には想像がつかないほどのものです。でも「やめたい」という言葉はわがままではなく、「この痛みをどうにかしてほしい」という切実なSOSである場合がほとんどです。

シャント穿刺の激しい痛みとトラウマ

シャント穿刺とは、透析のために外科的に作られた動静脈の短絡路(シャント)に、直径約1.6〜2.0mm(16〜18ゲージ)という太い針を刺す処置のことです。これを週3回・1回2本、毎回の透析ごとに繰り返します(日本腎不全看護学会誌 参考)。

血管が細くなっている高齢患者さんや糖尿病性腎症の患者さんの場合、一度で穿刺が成功せず「何度もやり直す」こともあります。私が担当してきた患者さんの中にも、透析開始前から「今日も痛くありませんように」と毎回祈るように来院される方が少なからずいらっしゃいました。穿刺後の血管痛が数時間続き、帰宅後の家事や日常生活に支障をきたすケースも珍しくありません。

注目すべき点として、2025年公式ガイダンスでは「穿刺痛は、解決可能な透析見合わせ理由のひとつ」と明示されています(腎不全患者のための緩和ケアガイダンス2025)。つまり、穿刺が辛いだけであれば、透析そのものを見合わせる前に解決できる可能性があるのです。

痛み以外の複合的苦痛(拘束感・制限・罪悪感)

穿刺の痛みだけでなく、以下のような複合的なストレスが日々積み重なっています。

  • 治療中の拘束感:週3回・1回4〜5時間、ほぼ動けない状態が続く身体的・精神的疲弊感
  • 食事・水分制限:塩分・カリウム・リン・水分すべてを制限する生活の苦しさ(→透析患者の食事療法を楽にするコツはこちら
  • 家族への申し訳なさ:通院送迎を毎回頼むことへの罪悪感と遠慮
  • 将来への絶望感:「一生続けなければならない」という出口のないプレッシャー

⚠️ 「透析をやめたい」という言葉を、安易に「わがまま」と否定しないでください。
まず「何が一番つらいのか」を丁寧に聞いてあげることが、最初の一歩です。痛みの原因によっては、透析を見合わせなくても解決できる手段が存在します。

③【CE実話】透析を中止したら苦しみが増した——第3の道とは

「透析をやめたら、穿刺の恐怖から解放されて、穏やかに過ごせるようになる」——そう思う方は少なくありません。しかし現実はそう単純ではありません。私が実際に経験した症例をもとに、正直にお伝えします。

実体験:透析見合わせ後の予想外の現実

精神疾患を抱えていた70代の透析患者さんがいらっしゃいました。穿刺の痛みを非常に強く感じており、透析のたびにパニック状態に陥り、その日の透析を拒否するような状態でした。患者さん本人の強い意向もあり、維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言に従い2度にわたって同意書を取得し、「透析を見合わせる」という重い決断を下しました。

しかし、透析をやめた後の現実は、穏やかなものではありませんでした。数日後、尿毒症(腎機能低下により体内に老廃物が蓄積して起こる症状)と重度の心不全(心臓の働きが低下し全身に血液をうまく送れない状態)が急速に進行。ひどい息苦しさと全身のむくみが重なり、ご本人が過去に経験したことのない苦しみを訴えられることになりました。「こんなに苦しいなら、やっぱり透析をしてほしい」——ご本人の強い希望により、透析は再開されました。

20年の現場経験の中で、最も辛かった場面のひとつです。そしてこの経験が、私が「透析をやめる前に、第3の道を知っておいてほしい」と強く思う理由です。

長期留置カテーテルとは?シャントとの比較と感染リスク管理

長期留置カテーテル(カフ型カテーテル)とは、首や鎖骨下・鼠径部の太い静脈にあらかじめ専用の管を留置し、透析のたびに太い針を刺す代わりに、その管をつなぐだけで治療を開始できる透析アクセス方法です(長期留置カテーテルの詳細:大垣病院)。

シャント穿刺長期留置カテーテル
毎回の針刺し必要(2本)不要(管をつなぐだけ)
穿刺の痛み・恐怖ありなし
感染リスク比較的低い高い(要日常管理)
血流量十分確保しやすいやや劣る場合あり
適した状況標準的な維持透析血管不良・穿刺困難・恐怖が強い場合など

最大のメリットは穿刺が不要になる点ですが、カテーテルは常に体外と体内をつないだ状態になるため、CRBSI(カテーテル関連血流感染症)のリスク管理が最重要課題となります。実際の現場では、カテーテル管理の教育が不十分なまま退院した患者さんが感染を起こしてしまうケースがあります。日常管理の具体的なポイントは以下の通りです。

  • 毎日の消毒:カテーテル出口部を清潔に保つ
  • 清潔操作の徹底:接続・切断時は医療チームの指示通りに行う
  • 異常の早期発見:発熱・出口部の発赤・腫脹があれば即座に医療機関へ連絡

「穿刺が怖い」なら、まずカテーテルを主治医に相談を

前述の70代の患者さんは、医療チームの根気強い説明を受け入れてくださり、カテーテルへ移行後は穿刺の恐怖が大幅に軽減され、これまでとは比べ物にならないくらい安定して透析を継続できるようになりました(個人の体験です)。

🔑 「穿刺が苦痛で透析をやめたい」と言う患者さんへ
2025年公式ガイダンスでも、穿刺痛は「解決可能な見合わせ理由」と明記されています。透析の中止と継続の間に、「カテーテルという第3の道」があります。まず主治医・担当看護師・臨床工学技士に相談してみてください。

→ 良い透析施設かどうかの判断基準はこちら:【2026年】良い透析クリニックの選び方

④ 透析を見合わせた後どうなるか?緩和ケアとACP(人生会議)の進め方

CKMや透析の見合わせを選択した場合、それは「医療に見放される」ことでは決してありません。むしろここから、緩和ケアチームが本格的に関わる段階となります。

透析をやめたら、穿刺の恐怖から解放されて、穏やかに過ごせるようになりますか?

実は、必ずしもそうとは言えないんです。体に水が溜まって、息ができないほど苦しむことがあります。だからこそ「針が嫌ならカテーテルという管に変える」という別の方法を知っておいてほしいんです。

透析をしないと体に何が起きるか

透析を行わないと、体内に水分・老廃物・電解質が徐々に蓄積します。eGFRや心機能・合併症の状態により個人差は非常に大きく、数日〜数か月以上と幅がありますが(出典:日本透析医学会ほか緩和ケアガイダンス2025)、主治医から生命予後の説明を受けることが必須です。現れやすい症状は以下の通りです。

  • むくみ・息苦しさ(心不全・肺水腫の進行)
  • 強い全身倦怠感・眠気
  • 吐き気・食欲不振
  • 激しい皮膚のかゆみ(掻痒症)——尿毒素の蓄積が原因

これらの苦痛を取り除くために、利尿薬・鎮痛薬の処方、保湿ケア、精神的サポートが集中的に行われます。「何もしない」のではなく、「苦しみを取り除くことに全力を尽くす」医療がここにあります。また「CKMを選べば穏やかに眠れる」とは限らず、別の苦痛を伴う可能性も十分にあることを、前述の実話として正直にお伝えしました。

ACPとは——誰と・いつ・何を話し合うか

ACP(Advance Care Planning:人生会議)とは、将来の変化に備え、医療・ケアについて本人を主体に、家族や医療・ケアチームが繰り返し話し合い、本人の意思決定を支援するプロセスのことです(東京都医師会 ACP参考情報)。

命の危険が迫った状態になると、約70%の人が自分で医療・ケアを決めたり希望を伝えたりすることが困難になるとされています(厚生労働省「人生会議」関連資料)。だからこそ、体調が比較的安定している今の時期から始めることが重要です。研究によると、ACPを実践した患者・家族は満足度が高く、遺族となった後のストレス・不安・うつ症状も有意に少なかったことが報告されています(Karen MD, BMJ 2010:340:c1345)。

ACPで話し合う主なテーマ:

  • 最期をどこで迎えたいか(自宅・病院・施設)
  • 痛みを伴う延命処置を望むか、望まないか
  • 意思を伝えられなくなったとき、誰に判断を委ねるか
  • 今、何を大切にして生きたいか

📌 ACPは「一度話せば終わり」ではありません
患者さんの気持ちは状況とともに変化します。定期的に、できれば体調が安定している時期から「もしものこと」を少しずつ話し合い始めることが大切です。

ACPを今すぐ始めるための具体的な一歩

まずは主治医または医療ソーシャルワーカー(MSW)に「ACP(人生会議)の場を設けてほしい」と伝えてください。MSWは病院の患者相談窓口に常駐しており、家族全員が参加できる話し合いの場を調整してくれます。また、腎代替療法の選択肢について詳しく説明してもらえる施設についてはこちらも参考にしてください:腎代替療法指導管理料と施設基準の解説

⑤ 透析中止を考える前に確認すべき5つのチェックリスト

透析を見合わせる・中止するという決断は、後戻りが極めて難しい、命に直結する選択です。インターネットや体験談だけで判断することは必ず避けてください。決断の前に、以下5点を必ず確認・相談してください。

痛みの原因別・解決策まとめ

1. 痛みの原因は穿刺か?
→ 麻酔テープ(エムラクリームなど)の使用・穿刺担当者の変更・エコーガイド下穿刺の導入・長期留置カテーテルへの移行など、痛みを軽減できる手段がないか主治医・CEに確認する

2. 通院が辛いのか?
→ 訪問透析・在宅腹膜透析(CAPD)への変更が可能か検討する

3. 精神的苦痛が大きいのか?
→ 精神科・心療内科との連携・担当者の変更・透析室環境の工夫(音楽・個室・アロマなど)ができないか相談する

医療・法的リスクを理解した上で決断するために

4. CKM選択時の予後を理解しているか?
→ 個人差は非常に大きいが、主治医から生命予後(eGFR・全身状態により数ヶ月〜数年単位)について説明を受け、家族全員で共有する。「CKMを選べば穏やかに眠れる」とは限らず、別の苦痛を伴う可能性も十分にある(出典:日本透析医学会ほか緩和ケアガイダンス2025)

5. ACP(人生会議)を一度でも行ったことがあるか?
→ 透析を見合わせるかどうかの判断は、1回の話し合いではなく複数回のACPを経た上で行うことがガイドラインで推奨されている

⚠️ 重要:この決断はインターネット情報だけで行わないでください
最終的な判断は、必ず主治医・医療チームとの複数回の話し合い(ACP)を経た上で行ってください。本記事はあくまでも情報提供であり、治療の指示ではありません。

FAQ(よくある質問)

Q1. 透析をやめると、どのくらいで亡くなりますか?

個人差が非常に大きく、数日〜数か月以上と幅があります。eGFRや心機能・合併症の状態に大きく依存します。「CKMを選べば穏やかに眠れる」とは限らず、別の苦痛を伴う可能性もあります。主治医から生命予後の説明を受けることが必須です(出典:日本透析医学会ほか緩和ケアガイダンス2025)。

Q2. CKMはどんな患者さんに向いていますか?

高齢・重篤な合併症・認知機能低下などにより、透析による延命よりQOLの維持を優先する場合に選択肢となりますとされています(出典:腎不全患者のための緩和ケアガイダンス2025)。ただし年齢だけで決まるものではなく、主治医・本人・家族の十分な話し合いが前提です。

Q3. 長期留置カテーテルに変えると、シャントは使えなくなりますか?

必ずしもそうではありません。シャントを温存したままカテーテルを使用する期間を設けることもあります。ただしシャントの廃用萎縮のリスクがあるため、医師の判断が必要です。

Q4. ACP(人生会議)はいつ始めればいいですか?

できるだけ早い段階、体調が比較的安定している時期が理想的です。厚生労働省は「元気なうちから話し合う」ことを推奨しています。透析導入時がひとつの契機です。

Q5. 透析をやめたいと言う親に、家族はどう対応すればいいですか?

まず「何が一番つらいか」を丁寧に聞いてください。穿刺の痛み・通院負担・精神的疲弊など原因によって解決策が異なります。すぐに「やめる/続ける」を決めずに、医療チームへの相談を一緒に行うことが最初の一歩です。

まとめ:後悔しない決断のために——今日からできること

「透析しない選択(CKM)」が公式ガイダンスで正式に位置づけられた今、私たちに求められているのは、患者さん本人が「やめたい」と言う本当の理由に耳を傾けることです。

  • 穿刺が辛いのであれば → カテーテルという解決策があるかもしれません
  • 通院が辛いのであれば → 在宅透析・送迎サポートの見直しができるかもしれません
  • 精神的に限界なのであれば → 透析室の環境改善・専門家の支援が力になるかもしれません

そうした選択肢をすべて丁寧に検討した上で、それでも透析を見合わせることがご本人にとって最善であると判断されたなら、その決断は尊重されるべきものです。ご家族だけで抱え込まず、まずは主治医・MSWに相談し、ACP(人生会議)の場を設けてもらうことから始めてください。

20年この仕事をしてきて、最も辛かったのは患者さんや家族が「知らなかったがゆえに後悔した」瞬間を目の当たりにしたときです。「透析をやめる・続ける」の二択だけでなく、第3の道があることを一人でも多くのご家族に知っていただきたい——それがこの記事を書いた理由です。相談してください、少しでも良い方法を一緒に探します。

透析生活をサポートする生活用品(参考情報)

⚠️ 以下は生活用品としての参考情報です。医療上の効果・効能を保証するものではありません。使用前に必ず主治医・薬剤師にご確認ください。

透析患者さんに多い乾燥肌(掻痒症)への対応として、皮膚科や透析室から保湿ケアを勧められる方がいます。日常生活の中で保湿用品を取り入れる際は、主治医・薬剤師にご確認の上、参考にされる方もいます。(※本製品は医薬品・医療機器ではありません)

また、自宅での血圧記録を習慣にされる方向けに、記録用途として家庭用血圧計を参考にされる方もいます。透析患者さんの血圧管理は医療行為ですので、使用・数値の解釈については必ず主治医にご相談ください。(※治療目的ではありません)

▼ 引用・参考文献

#情報源種別
1日本透析医学会ほか「腎不全患者のための緩和ケアガイダンス」2025年9月29日公表 jsdt.or.jp一次資料(学会公式)
2日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2024年末)」docs.jsdt.or.jp統計一次資料
3日本医事新報「保存的腎臓療法(CKM)の考え方と実際の運用」2025年9月 jmedj.co.jp専門誌解説
4日本腎臓学会公式サイト jsn.or.jp学会公式
5日本緩和医療学会公式サイト jspm.ne.jp学会公式
6大垣病院「長期留置カテーテルによる血液透析」2025年5月 oogaki.or.jp医療機関情報
7東京都医師会「ACP(人生会議)」tokyo.med.or.jp公的医療機関
8Karen MD, “The impact of advance care planning on end of life care in elderly patients”, BMJ 2010;340:c1345査読付き論文
9日本腎不全看護学会誌「血液透析患者の穿刺時における痛み」isho.jp専門誌


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